突発性難聴・耳鳴の症例
症例3 右耳で「ジー」と虫の音が鳴り続ける
来院者
50代 女性
来院
2019年 4月
症状
2ヶ月前から喉がイガイガして、ひどい咳が出ていた。1週間前から気づいたら右耳で耳鳴りが鳴っていると感じる。草むらで虫が鳴く音のような「ジー」という音が常に鳴っている。来院前日と当日に「フワッ」とした、めまいもあり、来院経験のある当院へ相談に来られた。
施術内容と経過
来院時にも喉のイガイガを感じており、喉の不調が耳鳴りに影響していると判断した。喉に関係のある手足のツボに鍼をして調整を行った。
2回目、「ジー」という音が静かになり、気にならない程度になった。めまいは出ていない。
3~4回目、施術後に「ジー」から「キー」に音が変化する。
5回目、耳鳴りが鳴る日と、鳴らない日が出てくる。喉のイガイガは消失する。
6回目、耳鳴りが1週間なかったが、昼過ぎから耳鳴りと頭痛があり、会社を早退して来院。ストレスも関係していると判断して、膝のツボを追加する。
それから1週間後、耳鳴りが出ていないと連絡を頂く。
使用したツボ
合谷(R) 開塊(R) 中渚(R) 曲泉(R)
考察
2ヶ月前から続く、喉の不調が影響して耳鳴りを引き起こしていた。また日頃のストレスも合わさり、耳鳴りを悪化させていた症例である。
※結果には個人差があり、効果効能を保証するものではありません。
症例2 常に頭全体で鳴っている耳鳴りと、抜けそうで抜けない耳の閉塞感
来院者
70代 女性
来院
2018年 12月
症状
2ヶ月前の夕方に突然、頭全体で耳鳴りが鳴り始めた。その日のうちに、掛かりつけの内科で診てもらったところ耳鼻科を紹介され、翌日に耳鼻科の聴力検査で右耳の聴力低下が確認され、「重度の突発性難聴」と診断される。
市民病院に入院して、1週間ステロイドを試すが改善されない。病院では「慣れるしかない」と言われる。
耳鼻科を変え、薬(リーゼ・カルナクリン・メチコバール)を処方される。それ以外にも、漢方薬や気功を試すが変化がない。
頭全体で常に「ジー」、たまに「プップップッ」という耳鳴り。右耳がこもる閉塞感があり、「ポッ」と抜ける感じが稀にあり、「そのまま抜けてくれ」と思うが、また閉塞するため聞こえづらい。
耳鳴りと聴こえづらさがストレスとなり、気分が沈みがちになっている。
施術内容と経過
右の側頚部に強い緊張があり、これが耳に影響していると考え、手のツボを使って緩めた。初回直後、頭全体で鳴っていた耳鳴りが、右耳のみに狭まり、音が「プー」に変化して「これぐらいの音なら我慢できる」と感想を得た。
2回目、耳の閉塞感が抜ける感覚が増え、こもり感が少なくなった。たまらない程の耳鳴りでなくなる。
3〜4回目、テレビの音、換気扇の音を聴き取れるようになる。耳の閉塞感をほぼ感じなく、聴こえが更に良くなった。
7回目、就寝時には、耳鳴りを感じなくなる。耳の閉塞感が完全に消失。ストレスで耳鳴りが悪化するため、反応のあった膝のツボを追加。
9〜10回目、耳鳴りが止む時間帯が増える。テレビのボリューム30→19に下げて聴きとれるようになった。
13回目、風邪を引いて右の鼻のみ鼻水が出る。足のツボを追加する。
16回目、耳鳴りが気にならないようになった。
使用した主なツボ
合谷(R) 中渚(R) 威霊(R) 曲泉(R) 玉竧(R) 六谿(R)
考察
頚部、肩背部の筋肉に過緊張があり、耳への血流が阻害されていたと考えた。頚、肩を緩めるようにツボを使って、耳へのアプローチを行なった。
初回の施術で、我慢できない程の耳鳴りが変化したことで気持ちが落ち着きを取り戻し、徐々に回復へ向かった。
※結果には個人差があり、効果効能を保証するものではありません。
症例1 両耳の閉塞感により、会話やテレビの声が聴こえづらい
来院者
50代 女性
来院
2018年 8月
症状
1年前、めまいと耳鳴りがあり、耳鼻科を受診。抗生物質を処方され、耳鳴りは消えていったが、入れ替わりるように両方の耳に蓋をされたような、こもり感が出現。
最近では、駅などの人混みに入ると「ユラユラ」しためまいを1日、1回は感じる。また、夕方になると左目の奥が「キュー」と圧迫されるように痛み、同時に両耳も包まれるような閉塞感があり、会話やテレビの声が聴き取りづらいと感じている。
耳鼻科での、処方薬を服用しているが改善されないため、当院へ相談に来られた。
施術内容と経過
バイオリン奏者をしており、長時間座って演奏することが多く、疲労が溜まると症状が出現することが問診で分かった。
後頭部を触診すると、硬く緊張しているポイントが見つかった。座り姿勢が多いことを考慮して、腰のツボに鍼をしたところ後頭部が緩み、目の奥に感じる痛みが軽くなった。
2回目の来院時、「バイオリンは左顎と肩に挟む込んで演奏する」という話から、触診すると左の顎関節が狭く硬くなっており、左頚部にも著名な硬さが見つかった。左の顎関節と頚部を緩めるため、手のツボに鍼を行なった。
3回目、前回の施術後から左耳が「パカッ」と通って聴こえが良くなり、テレビのボリュームを下げても良く聴こえると話してくれた。また1日1回あっためまいも、前回後から出ていないと言う。
4回目、片側の耳のみ閉塞感を1度感じる日があったが、以前に比べ良い日が続いている。
5回目時点で、めまいと耳の閉塞感は一度も出ていないことを確認できたため、終了とする。
使用した主なツボ
空髎(L) 養老(L) 項強(L) 聚労(L) 外谷(R)
考察
バイオリンを弾く姿勢の癖が、頚部と顎関節に硬さを起こして症状を引き起こしていると考えた。頚部の筋肉が硬くなることで、めまいや耳の閉塞感を引き起こすことはとても多い。また顎関節は耳と隣り合い密接な関係にあるため、耳の症状を診る上で重要になる。
普段の姿勢から、原因を特定するヒントが得られ、改善に向かった症例である。
※結果には個人差があり、効果効能を保証するものではありません。